カフェをこよなく愛する静かな男の駄文

カフェをこよなく愛する静かな男の駄文

さよならカフェ男

20XX年

 

カフェ男は、メイド喫茶でランチを食べた後、ささやかなランニングをし、再びメイド喫茶に戻りアイスを食べるという、痩せたいんだか太りたいんだか良くわからないブルジョアな生活を送っていた。

 

だがそんな生活にも終わりがやってきた。

 

カフェ男は会社をクビになったのだ、もはや彼にメイド喫茶でNetflixを見るという優雅な生活を送る余裕はない。

 

しかし、カフェ男はどうしても一目、金木犀の女神にあってしばらく来れない旨を伝えたかった。

 

横浜駅から流れる2級工業河川である帷子川沿いの某カフェにやってきたカフェ男であったが所持金がないため店に入る事は許されず、彼は拾った小石を2階の窓に投げ、金木犀の女神に気付いてもらおうとしたのだった。

 

コツン、

 

彼の投げた小石は隣のローソンの看板に当たった。

 

彼は次に先程より大きい石を拾い2階の窓に向けてなげた。

 

バリーン!!!

 

2階の窓は割れた、幸いにも怪我人はなかった。

 

カフェ男は通報を受け駆けつけた警察官により器物損壊罪で現行犯逮捕された。

 

パトカーに乗せられ連行されるカフェ男、集まった群衆の中に金木犀の女神の姿があった。

 

金木犀の女神は出勤途中でありまだ、店内にはいなかったのだ。

 

彼は思った、本来の方法とは違うが伝える事ができた、しばらく来れないという事を、、、

なんなら一生来れないのではないか。