カフェをこよなく愛する静かな男の駄文

カフェをこよなく愛する静かな男の駄文

僕は ”さようなら” の代わりに記憶を消した。

僕は ”さようなら” の代わりに記憶を消した。

 

令和3年1月某日

いつもどおりの某カフェ、しかしそこにもう金木犀の女神こと天使様の姿はない。

『ろんチャソ、、、ろんチャソ、、、』

白目を向き呪文の様に唱えるカフェ男。

 

数日前、天使様の卒業が発表されたのとほぼ同時期に、カフェ男は天使様のSNSに※※※※されてしまったのである。

『どうして、、、ろんチャソ、、、』

理由は分からないが、SNSで他のメイドさんの事ばかり呟いたりしてた等々、思い当たる節はいくらでもある。

『ごめん、ごめんなさい、、、』

しかし、カフェ男の女々しい謝罪ももう天使さまに届く事はないのだ。

『辞めちゃうなんて、嘘だろ、嘘なんだろ、』

カフェ男の精神はドン底にあった。

卒業により天使様と会えなくなってしまう悲しさ、そして卒業直前に※※※※された悲しさ、もう何がなんだか、ただただ悲しかった。

『僕はそんなにも、ろん天使を傷つけていたのか、、、墓があったら入りたいよ、、』

カフェ男は、横浜の某カフェから逃げ出した。

天使様との想い出がいっぱいの店内に居ることが辛かったのだ。

 

あてもなくさまようカフェ男、たどり着いた先は某カフェの秋葉原店であった。

『お帰りなさいませ〜、ご主人さま〜、カウンターへどうぞ!』

カウンターへ案内されるカフェ男、カウンターには白い雪より肌の白い白雪子さんがいた。

『私が白雪!このメイド喫茶の店長さんなの!』

『し、しらゆきさん!!』

『まりもさん、病まないで最後にろんちゃんに直接謝ればいいじゃない!』

『いや、もういいんです、、、僕みたいな人間が行ったらろんちゃんを更に傷つけてしまう、、、』

「バチーン!!」

『まりもさんの意気地無し!自分が傷つくのが怖いだけじゃない!』

カフェ男は白雪子にビンタされた。

『ううっ、、、辛い、辛い、こんなに辛いのなら全て忘れてしまいたいよ!』

『まりもさん、本気でそれ言ってるの!?そんなに酷い事いうなら全て忘れてしまえばいいじゃない!』

白雪子はカフェ男のおでこを指差し大きな声で呪文を唱えた。

『しらゆきマジック!ドーン!!!』

『うわ!うわぁあああ!!ぎゃあああああああああああ!!!!!』

雷に打たれた様な衝撃が頭に流れ、カフェ男はカウンターから転げ落ちそのまま気絶した。

 

令和3年1月23日

『うっ、ここは、、、病院のソファ?、、長く気を失っていたようだ、、、』

カフェ男は見知らぬクリニックのソファで目を覚ました。

『まりもさん、まりもてっぺいさーん、4番の診察室へどうぞー!』

院内スピーカーで名前を呼ばれ、4番の診察室に入るカフェ男。

『し、しらゆきさん、、!?』

『あら、まだ寝ぼけてるの?私はしらゆきじゃないわよ。』

4番診察室には、黒縁メガネをかけ白衣を着た白雪子と瓜二つの女性が座っていた。

『私が黒雪、このクリニックの院長よ!白雪は双子の妹よ!』

『く、くろゆきさん!!』

『話は聞いてるわ、あなた推しメンの記憶を消したいそうね。ウチのクリニックなら最新技術で100%キレイに忘れられるわよ』

『ううっ、あ、あ、いやでもホントに記憶を消すとは、』

『ハッキリしない男ね、見た目だけじゃなく中身までみすぼらしいとは、あなたみたいなのに推されてたその子が可哀想だわ!』

『ううっ、言葉もないです、、、』

黒雪は、見た目は同じでも、誰にでも優しく観音菩薩の様な心を持った白雪子とは正反対の性格の女性であった。

『さっそく、始めるわよ、そこに座って装置を被りなさい。』

『は、はい、、、』「カポッ、、、ウィーン!!」

斜めの診察台に座り頭に円盤型の機械を被るカフェ男、頭の円盤型の機械が音を立てて周り出す。

『記憶は新しいものから、順番に消していくのが効果的なの、その子と最後に会った時の事を思い出すのよ!』

『うー、、!!』

 

=最後に会ったのは令和3年1月10日メイドさんのバースデーイベント=

〜思い出される記憶〜

(その時、私はA6に座っていて天使様が忙しい中、声をかけて下さったのだ。)

『まりもさん、久しぶりです!』

『おお、ろんちゃん、久しぶり、明日の成人式楽しんでね。』

カフェ男はスマホ画面を見ながら答えた。

(私は、天使様の顔をしっかり見ないで、スマホで他のメイドさんの画像コラージュを作っていた、今思えば天使様の最後の通常出勤日であったのか、、私は天使様に酷いことをしてしまった、、、)

〜〜〜〜〜〜

「ポーン!」

音と共に記憶が消えていく、、、

「記憶は消えたわ!次よ次!次の記憶!」

カフェ男は黒雪に急かされ次々記憶を思い出していた。

 

=令和2年12月27日横浜店=

(この日はろん天使がスヌーピーを書いてくれたんだ)

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=令和2年12月26日新木場と横浜=

〜新木場物販にて〜

『わわ、まりもさん今日来てくれたんだね!』

『ろんちゃんがでるんですからそりゃ、行きますよ!』

〜横浜カフェにて〜

『ろんも秋葉のライブでたかった!』

『いや、でも私はライブでもお店でも1日に2回ろんちゃんに会えて幸せですよ!』

(この日は、新木場でライブがあり、私はオレンジを振り天使様も笑顔だった、その後、夜に横浜店に行ったら天使様がお給仕してて、ライブ後なのに大変だなとは思いつつも会えて凄く嬉しかったんだ、、、)

 

=令和2年12月18日横浜店=

(この日、何故か僕は酒をたくさんのみ、ヒレ酒のカップを割ってしまったのだ、そんな時も天使様はとっても優しくしてくれたのに、、、私は他のメイドさんのカクテルを頼み一人酔っ払っていた、、、こうした事も天使様を傷つけていたのだろう、本当にすみませんでした。)

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〜〜〜〜

「ポーン!ポーン!ポーン、、、」

次々と消えていくカフェ男の記憶。

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(8月の僕のバースデー天使様が司会をしてくれてとても嬉しかったよ。)

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(7月13日の天使様のバースデー、僕は仕事を休んで4,5回ループしてチェキをたくさん撮ってとても幸せだったよ、、、)

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〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『あとはこの記憶だけね!』

『ダメだ!こ、この記憶だけは!うわああああ!』

 

=天使様と初めてお話した時の記憶=

(2019年春頃のお昼、その日の某カフェはお客さんも少なく店内はとても静かだったのを覚えている)

『こんにちは、お勉強してるんですか?偉いですね!』

『は、はい。大したあれではないですが、』

(私がそう答え顔を上げるとそこに、天使の様なメイドさんがいて私は恋に落ちた。今でもしっかり覚えている。あの日の天使の様な笑顔、黒髪ショートボブの天使様)

「ガガガガガガガッー」

その時、記憶の世界が音ともに崩れていき、記憶の天使様は徐々に身体が消えて行く。

『ま、待ってくれ!!この記憶だけは消さないでくれ!!、、んちゃん!!』

記憶の中で叫ぶカフェ男、床が割れカフェ男はどこまでも落ちていく。

『うわあああああああ!!!!』

〜〜〜〜〜〜〜〜

「ポーン!」

 

 

『あ、あれ、どうして僕はくろゆきクリニックに、、、』

診察台から起き上がるカフェ男

『よし、手術は大成功ね!料金は100万円よ!』

『ひゃ、100万!なんの料金ですか!』

驚くカフェ男

『あなたが推しメンの記憶を消したいって言うから消してあげたのよ。払いなさい。』

『推しメンって一体なんの話だか、行きつけのカフェはありますけど、、、』

『ほら、この子よ、名前も思い出せないでしょ。』

黒雪はカフェ男に天使様の画像を見せる。

『この子が、僕の推し、、、?うううううっ!頭が痛い、、、!!』

『そうよ!早く払いなさい!』

『頭が、、ううっ、この子は僕の大切な人だった気がする、きょ、今日は23日!!、僕はこの子のライブに行かなきゃいけないんだ!!』

カフェ男は黒雪を払いのけ、クリニックを飛び出し走り出した。

『、んちゃん、、ろんちゃん、、!ろんちゃんに直接会って謝って ″さようなら″ しなくては!』

カフェ男は走りながら全てを思い出していた。

(ホールで優しく話しかけてくれた天使様、カウンターでテキパキ頑張る天使様、黒髪の天使様、金髪の天使様、DAI☆BOU☆KENを踊る天使様、物販でふざける天使様、可愛らしい歌声、上達するダンス、、、忘れられるわけがない、忘れてしまうわけがないじゃないか!)

 

続く。つづかないかも、、、

(辞めたメイドさんの画像は載せて良いのかわからないので塗り潰しました、あしからず。)