カフェをこよなく愛する静かな男の駄文

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異世界ハニハニ 第3話

異世界ハニハニ 第3話 

 

前回までのあらすじ

第2話参照https://saewashi.hatenablog.com/entry/2021/05/10/221353

ひょんな事から、アザラシ喫茶がアキバのガールズバーよりのコンカフェみたいになった世界に転生してしまったカフェ男であったが、再び異世界へと繋がる階段を転げ落ちてしまう。

 

 

『痛たっ〜』

『ううっ、、、ここは?!』

 

カフェ男が顔を上げると、「飲み放題1500円/1h」と書かれた看板が消え、いつものアザラシ喫茶の看板に戻っていた。

 

『ついに!元の世界か!?』

 

カフェ男は落ちた階段を駆け上がりアザラシ喫茶の扉を開けた。

 

🐘『お帰りなさいませ、ご主人様~!』

麗蘭さん!』

 

そこにはいつもの白黒のメイド服の麗蘭さんがいた。

 

「ガシャーン!!」

入り口のドアが強く閉まる。

(壊れたドア、カウンター前の扉が外れそうな小棚、いつものハニハニだ!!)

 

🐘『ご注文はお決まりですか?』

『アイスミルクティーとチーズケーキをください!』

🐘『かしこまりました!お待ちください!』

 

他にお客さんさんもメイドさんもおらずとても静かなアザラシ喫茶。

 

🐘『お待たせしました、ごゆっくりどうぞ!』

麗蘭さん、とっても怖い夢を見たよ。麗蘭さんが麗蘭さんじゃないような、』

🐘『ここは現実だからもう大丈夫ですよ!ふふ、』

 

アイスミルクティーとチーズケーキが届き一時間程、麗蘭さんとお話して過ごすカフェ男

 

麗蘭さん、お会計をお願いします、今日はお客さん誰も来ないですね。』

🐘『伝票お持ちします!、いつもお客さんほとんどいないですよ、2回目来る人はほとんどいないですから、、、、、』

『えっ、、、』

 

麗蘭さんの言葉に困惑するカフェ男

 

🐘『お待たせしました、本日のお会計が5,283,516円です!』

『ご、ごひゃくまん、、?!なんの冗談ですか!』

🐘『代表さーん!!』

 

『どうかしましたか、お客さん』

『いや、こんなに高いわけケーキセットしか頼んでないですよ、、、!!代表さん!?』

 

カウンターの奥から現れた代表さんは身長2mを越える大男でムキムキであった。

 

『お客さんちゃんとメニューに書いてありますよ、ほら!』

『えっ!そんな、、』

 

カフェ男がメニューを見るとケーキセット799円の下に小さな文字で

・メイドと会話 ¥10,000/m(指名料¥10,000/m(別途))

・Tax 400% 

・消費税別

と書かれていた。

 

カフェ男はアザラシ喫茶がぼったくり店になってしまった世界に転生してしまっていたのだ。

 

『ちょっと待ってください!』

再び階段ダイブするため逃げようとするカフェ男であったが異世界代表に腕を捕まれ逃げ出せない。

 

『お客さん、お金払えないんやったら身体で払ってもらいましょか~!ドーーーーン!!!!』

『うぎゃああああ!!!!』

カフェ男はその場で気絶した。

 

 

 

 

~約1ヶ月後~

インド洋沖、合い荒れ狂う海に浮かぶマグロ漁船、外国人船員にまみれ、手紙を書くカフェ男の姿があった。

 

 

麗蘭さんへ

お元気ですか、私は元気にやっています。凍てつく寒さは辛いですが麗蘭さんの笑顔を思い出すと心が温かくなります。

どの世界線に行っても、麗蘭さんが好きという気持ちは変わりませんでした。

この手紙が届くことはないでしょう。

お誕生日おめでとう。

さようなら

 

令和3年6月28日

麗蘭のお父さん兼お兄ちゃんのまりもより

 

 

~完~