僕は今日とっても疲れていたんだ。
無情にも席は埋まっていた。
僕は悩んだ。
誰の前に立つのが正解なのか。
化粧しているお姉さん、アラレちゃん眼鏡の女子、超高齢のお婆ちゃん。
私は、原宿でアラレ眼鏡が降りると予想しその前に立ったのだ。
原宿に近づくが、動く気配がなく、嫌な予感がした。
なんと、化粧のお姉さんが降りていった。
その席はすぐに埋まった。悲しかった。
次は渋谷、今度こそ間違いなくアラレ眼鏡女が降りると思った。が降りなかった。
次に中目黒が近づくと、高齢婆さんがソワソワしだした。
私は婆さんの前に移動した。
中目黒が更に近づき、婆さんは鞄を開けた。
私の予想が確信に変わった。
きっと切符を出すに違いない、降りる駅が近づき準備しているのだろう。
しかし、取り出されたのはチラシを切り取ったメモであった。
メモには、「川越〜横浜」と書かれていた。
私は怒った。
こんな婆さんを、そんなメモで遠出させるんじゃないよと。
案の定婆さんは、中目黒で降りず、アラレメガネが、中目黒で降りていき、席はすぐに埋まった。
悲しかった。